2011年8月15日(月) 晴れのち雨
唐松頂上山荘5:40-牛首通過6:10-途中の標識8:05-遠見尾根分岐8:45-五竜小屋8:55-休憩30分-五竜岳頂上10:45
-G411:20-北尾根ノ頭13:25-口ノ沢のコル13:54-キレット小屋15:20
この日は、朝食を小屋でしっかり食べて出発した。昨日、一緒に飲んだ伊丹の男性は結局この日は停滞することになり、
連れの男性はちょっと気を落としていたようだった。後の話で、翌日は元気に出発されたようだ。良かった。
今日の天気は午後から下り坂だと言うことで、少々不安に思えたが、いざとなったらエスケープルートで降れば良いと思った。
この日も剱岳の上空に月が・・ これから向かう五竜岳も朝日を浴びて
唐松岳 剱岳のテッペンも朝日を浴びて
幾重にも重なるレンズ雲 後半は雨になるんだろうか・・・
唐松常駐の遭対協の方が、最近、牛首を通過中に若い男女が(30代・40代)それぞれ、滑落死したと話していた。それを聞いて
慎重にと思いながら歩いていると、朝起きて歩いて間もないのにすぐに牛首の岩場に到着した。岩は脆く、うかつに手を置けないし
一つ一つ動くのを確認しながら歩を進める。ちょっとの油断で落ちるのが良くわかった。
ここでも勘田先生のご指導が 本当に気を抜いちゃいけません
牛首の最後の下り ちょっとホッとする
でも、まだまだ険しい道は続きます まだまだ遠いなあ・・・
鎖も何もない岩場 三点支持で登ります。下りも大変だ ホッと一息入れます
五竜岳の雄姿
振り返ると唐松岳と大黒岳
剱岳もいます
トウヤクリンドウ コマクサ
遠見尾根分岐 五竜の小屋が見える
これからの縦走に備えて腹ごしらえ 五竜山荘 ここに泊まる予定だった
ハイマツ帯に入ると、余裕が出て周りの景色も眺めながら歩く。北アルプスの雄大な景色を満喫し我隊は、楽しく談笑しながら
歩を進めた。話題は言わずと知れた昨日の出来事。楽しい・楽しい。
ここから先のコースは以前、テントを担いで歩いたことがある。五竜小屋-八峰キレット−冷池小屋テンバ−柏原新道
でも、まったく覚えていない。きっと必死で登っていたんだろう。結構、険しかったのだけはぼんやりと思い出せたが・・・。
五竜山荘も遥か彼方へ ザレ場が続く
岩場を吹野さんはもくもくと・・・。 ちょっとの油断が・・・
五竜岳頂上
結構な急登のガレ場や岩場をよじ登って、やっと五竜岳頂上に到着。まだまだ青空が覗いています。途中出会った単独行の
男性若者は、キレット小屋を諦めて降ると言っていた。唐松小屋で見かけたご夫婦も五竜岳からもとの道を降って行った。
その時、キレット小屋から登ってきた3人のパーティーの一人にこの先の様子を聞くと、長くて厳しいですよ。雨が降ったら大変です
と言われた。それを聞いて、私の頭にエスケープルートの文字が浮かんだが、それを打ち消すように、吹野さんが「大丈夫よ」と
一言言い放ち、弱気な気持ちがいっぺんでどこかへ消えた。吹野さんはすごい!勘田先生も行くしかないでしょうと・・・。
こちらもすごい!弱気な気持ちを持った自分が恥ずかしかった。この時、キレット小屋を目指していたのは、途中で私達を抜いた
夫婦連れの二人と私達だけだった。
行く手は険しい岩場の連続 目指すキレット小屋は遥か
左手前の細い登山道は両脇が切れ落ちている
これでもかと続く岩場 北尾根の頭
G5辺りの細い岩場に差し掛かると、前から高校生らしき4人のグループがやってきた。先頭を歩く女子は荷物も男子と同じくらいの
物を担いでいた。頼もしい!それに可愛かった。二番手に歩いていた男子が少々ばて気味で遅れていた。
どこまで行くのと聞くと、唐松までですと答えが返ってきてビックリ!まだまだあるよー。頑張ってねと言って先を急いだ。
ガスが辺り一面を覆いだす 小雨もまじる
口ノ沢のコル キレット小屋直前の鎖場
歩いても歩いても、嫌になるほど鎖場・梯子・岩場が続く。おまけに等々、雨が降り出した。雨具を着て先を急ぐ。
鎖が欲しい処は何もなく、慎重に歩く。勘田先生が後で励ましながら登るが、あまり聞こえない。この岩場は先生の足には
ちょっと堪えたかも知れない。
でも、遅れながらもしっかり歩いている。。先に行って、行ってと言う言葉に甘えてどんどん行き、置いてきぼりにしても、先生なら
大丈夫だと思ったがやっぱり心配だった。娘がうまいこと先生と一緒にいたので良かったが・・・。最後の岩場のところで、
先に歩いていた吹野さんの「小屋が見えたよ!」と言う声が聞こえると嬉しくなった。小屋の前で遭対協の人が出迎えてくれた。
やっと着いた。
キレット小屋 快適な部屋
キレット小屋は、「えっ」と思う所に建っている。以前は通過地点だった。よくまあ、こんな狭い所に・・・。水場は?遭対協の人に
いろんな疑問を投げかけると、水は天水で物資はヘリだそうだ。水は特にここでは貴重だ。それなのに宿泊客は無料。
どこかと大違い。部屋もきれいで快適だった。この日は宿泊者も少なかった。テン場はもちろんない!
美味しかった夕食 コース案内図
この日も同じガスを使っている人を探すが見当たらない。仕方なく、自炊室でビールを飲みながら反省会をしていると
隣に座っていた男性がガスコンロでお湯を沸かしていた。それをじーーーっと見ていたら、「?」と言う顔をしたので
「ガスは持っているんですが、ヘッドを忘れて」と言うと、これを使いませんかと言ってくれた。ラッキー!!
合わないかもしれないけど、取り合えずやってみますと言って、お借りしたら何と上手くいった。それから、唐松の続きの
宴会が始まった。夕食を食べ、明日に備えて早めに寝床に着いた。夜中、強風と雨が小屋の屋根を叩いていた。
大丈夫かな明日は・・・。キレットの核心部なのに・・・。大丈夫・大丈夫・・・。