キレット小屋〜鹿島槍ヶ岳〜赤岩尾根〜大谷原

  2011年8月16日(火) 曇りのち晴れのち雨

  
キレット小屋5:20-八峰キレット5:44-北峰分岐7:10-北峰7:25-鹿島槍ヶ岳8:12-布引山9:05-冷池山荘10:15
   (15分休憩)-赤岩尾根分岐10:45-高千穂平12:08-休憩(10分)-西俣出合13:33-(休憩15分)大谷原駐車場14:35

                               4日目歩いたルート

   曇り空だったが雨は落ちていなかった。朝食を済ませ、最後の歩きとなるキレット越えに身も心も引き締まる。
   小屋を出ていきなりの垂直の梯子が待ち構えていた。滑らないように慎重に登る。登ると足場の悪い鎖場が
   続き、気持ちに余裕がないかと思ったが、写真をちゃんと撮ってたので、大丈夫だった。

 

               梯子が終わっての鎖場                右側はスパッと切れ落ちている

 

                切れ立った細尾根を登る              振り返ると険しい山並みが・・・

 

                下りの梯子                         下を見ると怖い

 

                 梯子から身体を離して足元を見る         梯子が終わると核心部

                            雑誌によくでてくるお決まりの場所

 

                  中々の高度感だ                  この梯子の最初の一歩をちょっとビビッた。

  

                   難なくクリアー                       まだまだ難路は続く

    核心部の八峰キレット。よくもまあこんな所に登山道を作ったものだ。ガッと登って、ガッと降る。
    その繰り返し。ここら辺は、以前登った時のことを覚えていた。前は、崖っぷちに細い木道が掛けられて
    いたが、今回はあまりそのような所がなかったような・・・。以前よりも歩きやすくなっているのかも。
    でも、岩場の難所に間違いはない。気を抜かず慎重に歩かなければいけない。

                             手前の小高い岩場の遥か下に小屋がある

 

                  キレット小屋が見えた             垂直に登って、垂直に降る八峰キレット

                                 核心部は終わった

 

                  まだまだきつい上りが続く                ちょっと一休み

   勘田先生は岩場が好きで楽しいと言う。吹野さんはもくもくと歩く。娘も楽しんでいる。私はと言うと娘が
   言うには、背中が場面場面で状況を物語っているんだと・・・。どうしてわかるの?私は、岩場の急登の時は
   何だか早く登る。早く切り抜けたい気持ちが出るのかなあ。それに、天気がガスったり、曇ったりしてきたら
   物悲しく歩き、晴れると元気よく歩いているんだとか・・・。みんなそうじゃない?まあ、娘の言うことだから、
   気にしないけどね。
   この先の鹿島槍北峰までの登りも半端なく、急登で岩場をよじ登る場面も何箇所か出てくる。気合を入れて
   臨む。

 

          北峰分岐に到着ここにザックを置いて頂上を目指す。        北峰頂上

                               ガスの中、記念撮影

 

                   南峰までも険しい上り                鹿島槍ヶ岳頂上(古い標識の前で)

 

                  バンザーイ!!やったね!               変な格好をしろと言われて

                       とうとう鹿島槍ヶ岳までやってきました。長かったーー。

 

                  ここから快適な下山道                  天気もよくなりました

 

                  歩きやすーい                      吹野さんと勘田先生はゆっくりと

                               剱岳をバックにトウヤクリンドウ

                     種池山荘・鳴沢岳・赤沢岳・スバリ岳・針ノ木岳 その奥に蓮華岳

                            4年前に歩いた稜線が彼方に

                          剱岳のテッペンの雲が取れるのを待つがなかなか・・・

 

                 笑い転げながら歩く3人                 布引山をバックに

 

                  かっこいい!!                 その歩きや体力はとても72歳には思えない

    鹿島槍ヶ岳からの下りは、唐松での出来事を思い出し娘と二人笑い転げながら歩いた。途中、吹野さんも
    参加し姦しく賑やかだった。いやー、楽しかった。

                              「おこじょ」に出会いました。ラッキー!!

 

             こんなところにM田さんが・・・。(お出かけの時)       お風呂上りのM田さん 失礼!  

 

                冷池山荘到着                         横からの山荘
 
    
冷池山荘常駐の遭対協の方に、下山道の赤岩尾根の様子を聞くと、時間はショートカットできますが
   かなり厳しいですよ。ストックは使わないほうがいいでしょう。そのくらい、急な激下りで痩せ尾根で、ガレ場もあり
   大変です。と、げんなりするような答えが返ってきた。聞かなきゃ良かった。実際にその尾根を使っている人は、
   数人だけだった。   

 

                 赤岩尾根分岐                   最初のガレ場で「ゲっ」と思い足がすくんだ

 

                 階段・梯子・鎖場あり                  遥か下方に大谷原の堰堤が

   この急な登山道を、ご夫婦らしき人と親子と単独行の男性が登ってこられた。この登山道を登りに使うなんて・・・。
   でも、種池山荘経由より遥かに近い。それに、あのガレ場は上りに使うと怖くない。でも・・・。
   高千穂平の手前で腹ごしらえをして、暫し休憩。勘田先生の足もきっと悲鳴を上げている筈だ。強いなあ・・・。

             
 

                    急な筈だ 険しい山肌が               危険な所を過ぎて高千穂平

 

                激下りは続くし、長い                   やっと西俣出合へ

 

                   この川を渡って向こう岸へ            川を渡るためのトンネル

  

                       標識                      大谷原駐車場手前の橋

   堰堤が見えてからも長い、長い下りが続く。うんざりした頃に、川の音が大きく聞こえ西俣出合に到着。川を渡る
   ためにトンネルをくぐる。先生の話だと以前は橋が架かっていたそうだ。多分、大雨で流されたんだろうと
   言う事だった。ここから林道を延々、1時間くらい歩かなければいけない。一人だと嫌だろうなあ。
   林道歩きの前に休憩を取り、駐車場を目指す。冷池山荘で12日に泊まった宿のご主人に連絡を入れ、
   迎えに来てもらうことになっていた。この林道歩きでは、勘田先生が驚異的な歩きを見せた。
   足が痛いはずなのに、途中、電話を入れた手前、遅れてはいけないということで、タッタカ歩き出した。
   後をついていくのがやっとだった。
   駐車場に着くと、まだ車は来ていなかった。この頃から雨が降り出し、その後は土砂降りになった。
   良かった山の中を歩いていなくて・・・。車が着いて乗り込むと、車の有り難味をいつものように思い知らされた。
   宿でお風呂に入れてもらい、それぞれ帰路に着いた。


   長い長い夏山山行もみんな元気で無事に終えることが出来た。天気に恵まれ、仲間に恵まれ、出会いに
   恵まれた山行だったと思う。楽しかった場面、怖かった場面、辛かった場面・・・、いろいろと思い出される。
   今回のコースは、不帰ノ嶮に重きを置いていたが、振り返ってみると一番楽だったような気がする。(白馬雪渓は
   除く)これは、私達の感想であって他の人達に当てはまるとは限らない。
   危険な場所に行くことは、人それぞれ捕らえ方が違い、簡単に思える人もあればそうでない人もいる。
   前にも書いたように体力が一番必要で、次に技術・気力かなと思っている。みんな登ってるからと言って、
   同じ行動をしたり
安易に危険な場所に踏み入るのはどうかな?今回のように、長丁場の場合は事前の体力
   作りも必要かもしれない。私は人一倍怖がりである。特に、つり橋はいけない。あれは、チョー怖い。
   南アルプスには長い長いつり橋を渡らないと登山口へ行けない所がある。あれもなあーーの世界だ。
   それと「四国のかずら橋」、意外なところでは「薬師沢のつり橋」、高天原へ行く「丸太橋」などなど・・・。
   こんな私は、東鎌・北鎌尾根を除いて北アルプスの岩稜帯と呼ばれるところは、完歩している。
   自分でも不思議だ。今回の白馬-不帰-牛首-キレット・奥穂-前穂・槍ヶ岳-奥穂・奥穂-西穂・・・。
   奥穂-西穂の縦走は、精神的にも肉体的にもかなりきつかった。特に最初のジャンダルムを目の前にした
   馬の背では、しばらく固まって動けなかった。でも、後戻りはできない行くしかないの世界だ。半べそになりながら
   歩いたような気がする。そこまでして行かなくてもと思うが、好奇心がいつも勝ってしまう。
   富山にいた頃、山仲間と笠ヶ岳へ日帰りで登った時、目の前の槍・穂の頂を眺めながら「あーあそこ歩きたいな」
   と呟いたのを、仲間が聞いていて連れて行ってくれた。
   今思えば、何と大胆な行動だったんだろうと思う。でも、行って良かった、経験できて良かったと思っている。
   だから、他の怖い場所を歩く時はいつも、「ここより怖いとこ歩いたじゃん」と心で呟きながら歩いている。
   さあ、次はどこに登ろうかな!

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