登山日   2015年7月25日(土)
天 候   曇り時々晴れ
山 名   とむらうしやま
同行者   長崎山岳会 石川・倉嶋 A木(広島)
所要時間   11時間30分(休憩含む)

            コース  ヒサゴ沼避難小屋5:00⇒化雲岳分岐⇒日本庭園⇒ロックガーデン⇒北沼分岐⇒トムラウシ山⇒
                 トムラウシ公園⇒前トム平⇒コマドリ沢出合⇒カムイ天上⇒温泉コース分岐⇒駐車場16:30
コース 

            快適なテントで翌日を迎えると、曇り空ながらまずまずの天気。朝日が昇る前のヒサゴ沼は赤く幻想的な雰囲気で
           外国の地を思わせた。朝日が昇り対岸の山上をモルゲンロートで赤く染めていた。
           この日の歩きが全行程で一番長く、気合を入れる。朝食を済ませ、テントをたたんでザックに入れるが、夜露で濡れ
           重さを増していた。結局、初日の重量とあまり変わらず17キロ余りをこの日も担ぐことになる。大丈夫かいな。
           
           小屋に泊まった広島のA木さんは、一足早く出発していた。途中で追いつくことになるが・・・。テント場を後にヒサゴ
           沼に沿って雪渓歩きが待っていた。早朝だったが雪渓は凍ってはいなかった。先に出発したツアー登山者達は、
           この雪渓の手前で10本爪アイゼンを付けていた。私達も一応持っては来ていたが、10本爪じゃなく軽アイゼンだった。
           でも、アイゼンを付けるほどでもないと思いそのまま歩いた。雪渓歩きが不慣れな人はアイゼンは付けた方が良いと
           思う。雪渓が終わると大きな石の岩稜帯になった。大きな荷物を背負っての歩行は大変。バランス感覚が問われる。
           ペンキの目印もはっきりせず、適当な石の上に乗って歩を進める。しかし、この先のルートはこんなものじゃなかった。

どう表現したらいいんだろう

ただ眺めるだけ 暫し時間が止まった

対岸の山頂を染めるモルゲンロート

まるでニュージーランドにいるみたい

ここは北海道です

     
 出発前に    何処が沼か?・・・
     
 小屋を出てすぐの雪渓    歩きにくい岩稜帯

もう巨岩がいっぱい 歩きにくい

            岩稜帯を抜けると化雲岳の分岐に出た。ここから化雲岳の少し出っ張った山頂が見えた。少し行くと木道になる。
           ここは快適に歩くことが出来、回りの景色も素晴らしい。暫くして、日本庭園と名付けられた場所に到着。
           ここは、残雪が残る沼の回りにお花畑が広がり、思わず声が出るくらい素晴らしい所だった。
           ここを抜けると、ロックガーデンのお出まし。岩も最初の岩よりもっと大きく距離も長い。これでもかと延々続く。
           ザックは重いし嫌になる。でも、頑張った。

     
 化雲岳分岐   化雲岳の先っぽがポツンと見える 
     
 最後の歩きを楽しむI川さん   この時はまだ元気 

ごつごつと面白い岩のオブジェ

日本庭園入口

ヒサゴ沼が小さく眼下に

     
 チングルマの終焉    ナナカマドの花
     
歩いたヒサゴ沼の雪渓をアップで    日本庭園 

神秘的な沼 まるで氷河 

回りはお花畑

     
チングルマをアップで    氷が水面下に 

ロックガーデン

バランスが要求される

遥か彼方に旭岳が小さく見える
あそこから歩いてきたんだぁ

これでもかこれでもかと続く岩稜帯

              ロックガーデンを過ぎるとトムラウシ山が姿を現した。なかなか手ごわそうな岩山だ。トムラウシに向かって歩いて
             いると、北沼分岐に差し掛かった。ここは2009年7月にツアー登山者8名が低体温症で遭難死した場所だ。
             回りを見回しても木も何もなく岩場があるだけ。北沼から増水して流れ出た水が登山道を川にしたという。
             現場を見て、ここだったのかと納得した。こんな所で悪天候になったら、逃げ場がないことがわかる。戻るにしても
             距離がある。先へ進むにも大変な道だ。何名かは下山して助かったが奇跡だろう。
             やっぱり北海道の山は天候に恵まれれば最高だが、一つ間違えば遭難は有り得るなとつくづく思った。
             

トムラウシ山が見える

束の間の平地

ここが北沼

     
 渡渉されたと思われる場所
立ち止まって黙とうを
   ツアー登山者が歩く登山道が川に

素晴らしい眺めの北沼

            大きな岩の岩稜帯が頂上まで続き最後の山トムラウシ山の山頂に立った。山頂からは、遥か彼方に朝日岳が
           望めた。きつかったぁ。前後を入れ替わりながら歩いたツアー登山者の方達とも喜び合った。
           広島のA木さんとも途中で合流して一緒に山頂を後にした。

トムラウシまでの最後の厳しい登り

山頂直下の様子

感無量 トムラウシ山にて

            山頂から少し下った所にキャンプ地がありそこで昼食を食べた。ツアーの登山者もここで休憩を取っていて
           これから先も追いついたり、離れたりと殆ど一緒の行動となった。これが結果的に良かったと後で思い知らされる。
           休憩が終わり先へ進むが、嫌らしい雪渓があったり、上りの方がまだましだった下りの大きな石の岩稜帯歩きが
           嫌と言うほどあったり、樹林帯に入るまでは気を抜けないコースだった。特に、岩稜帯では目印のペンキも少なく
           ガスってるとコースを外れる危険性があるので十分注意したい。

           残雪が残る急なコマドリ沢を降って行くとコマドリ沢出合に出る。ここで、またしても先を歩いていたツアーの登山者と
           一緒になる。そのままでも飲める小さな沢の水を教えてもらい、美味しい水をごくごくと飲み干し疲れた身体を休めた。
           この先は、沢沿いのコースで歩けないため、尾根までの急登が待っていた。
           ツアー登山者と一緒に出発するが、尾根に上がって暫く歩くと彼らは先に行ってしまい見えなくなった。この時から私の
           小さな足は悲鳴を上げ始める。足の底が痛くて痛くてなかなかペースを上げることが出来ない。
           それでもまだまだ距離もあるし、時間が掛かってるのでリーダーとして何とか我慢して急いで歩いた。歩いても歩いても
           まだまだたどり着けないジレンマに弱気になってしまう。「ちっちゃん、頑張れって言って!」と娘に心の中で叫んでいる
           私がいた。ザックの荷物を放り投げて歩きたかった。

           やっとカムイ天上に着いたとき、先を歩いていたツアー登山者が休憩していた。ぐったり疲れている私達を見て心配して
           くれた。でも、自分の足で歩くしかないのだ。この時、このツアーのガイドさんが私達のことを気にかけてくれ、駐車場に
           自分たちの車があるから登山者を送って行って戻るまで待っててくれたら載せますよと言ってくれた。
           でも、車が行って戻ってくるまで1時間位かかるそうだった。分岐から下山口まで歩くと1時間30分はかかる。この時
           すでに3時ちょっと前、時間のことやヒグマのリスクを考えると載せてもらおうと決めた。
           そうして、駐車場分岐まで離されながらも歩いて行った。駐車場分岐まで来ると彼らが待っていてくれた。
           ここから歩いて行けますがどうしますか?と再度聞かれ、待つから載せてくださいと頼んだ。駐車場に着くと、今回の
           長くて苦しかったコースを無事に歩き通したことに胸が熱くなり、思わず涙がこぼれた。
           山を歩いて泣いたのは、初めての槍ヶ岳と奥穂から西穂への縦走を歩いて感極まった時だけだっただけに、この縦走が
           私にとってまた成長させてくれたと喜んだ。
           駐車場でガイドさんに僕らの荷物を置いてくのであなた達3人乗れますよと、ガイドさん一人が荷物番をすることですぐに
           載せて貰えることになった。
           なんてラッキーな有難いことだろうと二人のガイドさん、ツアー登山者の方達に感謝した。
           

     
 頂上からの下り   エゾハクサンイチゲ 
     
 いくつもの雪渓を超えて   トムラウシ山を振り返る 
     
 先を歩くツアー登山者   下りの岩稜帯は慎重に 
     
ザレ場もあり    イワギキョウ 
     
 アップで   樹林帯へ 
     
 コマドリ沢    
     
サンカヨウ    シギンカラマツ 
     
コマドリ沢出合からの急登    熊に注意しながら歩く
尾根道
 
     
マイズルソウ    駐車場分岐 
     
よく頑張ったね    東大雪荘 
     
チーズフォンデュ    夕食 
     
 A木さんとI川さん   バッフェスタイルの朝食 

          こうして初日からすったもんだした大雪山縦走は怪我もなく無事に終えることが出来た。いろいろあったが、天気にも
         恵まれ、登山者にも恵まれ、楽しくて厳しかったが大満足の山行だった。
         さて、次はどこの山へ登ろうかなあ

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